情報

FANUCの10/11/12シリーズ PMC-I で Pascal が実行されているかどうか確認する方法

Pascal の実行状態は、以下の手順でアドレスに表示されているビット状態(1または0)を確認してください。

手順概要

  1. PMC基本メニューのソフトキー[PCDGN]を押して、PMCの入出力信号や内部リレーなどのステータス表示画面(ダイアグノーズ画面)を表示させます。
    • この画面では、PMCや Pascal が使用するすべてのアドレス(X, Y, F, G, R, A, C, K, D, T, M, N)のデータを確認できます。
    • データは ビットパターン(0または1)で表示され、横一列が8ビットのデータとなります。
    • ビット状態は「1」のときに 、そして「0」のときに 0 と表示されます。

操作方法

  1. PMC基本メニューを表示する
    • MDIキーの右下部にある [NC/PC]キー を押して、PMC基本メニューを開きます。
  2. ダイアグノーズ画面を表示する
    • ソフトキー [PCDGN] を押して、CRT画面をダイアグノーズ表示(PCDGN画面)に切り替えます。
    • 画面下部のソフトキーメニューが [SEARCH] に変わります。
  3. 確認したいアドレスを入力する
    • 表示させたいアドレス(例:R549)を [R][5][4][9] の順にキー入力し、ソフトキー [SEARCH] を押します。
  4. ビットパターンを確認する
    • 指定したアドレスから連続するデータが、ビットパターンとしてCRT画面に表示されます。
    • これにより、ダイアグノーズ画面で R549 の各ビット状態を確認できます。

パスカルステータス

ビット76543210
R549PASCALPCMDI

PASCAL :PASCALプログラムが動作すると”1”になります。
PCMDI :PCMDI画面になると”1”になります。

上記は機械側の操作盤から確認する方法ですが、ラダーデータまたはラダー図面がある場合には以下の方法でも確認できます。

PMC-IのFAPT LADDER側のパラメータ設定でPascalの実行有無を確認する方法

ラダー編集ソフト FAPT LADDER により PMC のシーケンスプログラムを作成した場合、ラダー内には次の3つのレベルのシーケンスプログラムが作成されます。

  • 第1レベルシーケンス
  • 第2レベルシーケンス
  • 第3レベルシーケンス

このうち、第1レベルおよび第2レベルはプログラム作成時に実行周期が決定されます。一方、第3レベルは Pascal プログラムの各タスクとの優先関係により実行周期が決まります。

各プログラムの優先順位は以下の通りです:

  1. 第1レベルシーケンス
  2. 第2レベルシーケンス
  3. Pascalプログラムの各タスクまたは第3レベルシーケンス

Pascal の各タスクの優先順位は、TCB(タスク制御ブロック) の登録時にタスクレベルを設定することで決定されます。また、ラダーの第3レベルも Pascal のタスクと同様に TCB を設定することで Pascal のタスクとの優先関係が決定されます。


パスカルプログラムを実行するための考慮事項

Pascal プログラムを実行するためには、Pascal とラダーの両方の実行を考慮して設定を行う必要があります。
言い換えれば、システムパラメータが Pascal の実行を考慮した内容になっていれば、Pascal プログラムが必要である、またはプログラムが実行されていると判断できます。


システムパラメータの設定

以下は、PMC-I におけるシステムパラメータの設定例(一部抜粋)です。

03 PASCAL EXEC. ; 0 % 
06 PASCAL EXEC RATIO ; 0 %

07 LADDER EXEC ; 100 %

各パラメータの説明

  • LADDER EXEC
    ラダーの第1レベルおよび第2レベルシーケンスの処理時間の増分を設定します。これにより、ラダーのスキャンタイムが短縮され、実行速度が向上します。
    100%の設定では、8msec周期のうち5msecが第1、第2レベルシーケンスの処理時間に割り当てられます。
    150%の設定では、7.5msecが第1、第2レベルシーケンスに割り当てられ、ラダーのスキャンタイムが約66%短縮されます。
    Pascal プログラムを使用しない場合は、通常 100% の設定にします。
  • PASCAL EXEC
    Pascal とラダーの処理時間の比率を設定します。
    LADDER EXECとは反対に、第1レベルと第2レベルの処理時間を減らし、Pascal の処理時間を増やします。
    Pascal プログラムを使用しない場合は、通常 0% の設定です。
  • PASCAL EXEC RATIO
    Pascal の処理と PMC 画面表示の処理時間の割合を設定します。
    0%の設定では、まず PMC 画面表示を行い、その後に Pascal を実行します。
    Pascal プログラムを使用しない場合は、通常 0% の設定です。

Pascal プログラムの使用有無の判断

以上のシステムパラメータの設定情報から、Pascal プログラムが使用されているかどうかを確認することが可能です。


まとめ

Pascal プログラムがシステムに含まれている場合、ROM の故障などによる復旧時に大きな障害となる可能性があります。
そのため、現在の設備の状態を定期的に確認し、記録しておくことが非常に重要です。可能であればバックアップ用のPCカセットやROM、ROMデータを準備されることをお勧めします。

PMCラダー屋.COMではこれらのROMデータのバックアップをお手伝いいたします。お問い合わせは当サイトのお問い合わせフォームをご利用ください。

関連記事

TOP