しばらくというか、かなりの長期間にわたって同じ機械を使用していると、今までやってきた以上の仕事をやりたくて(機械にやらせたくて)、NCプログラムにMコードを追加して、あんなことや、こんなことができたら楽だろうな、便利だろうな、、、なんて考えてしまうことは、どこの誰にでもよくある話です。
そもそもMコードというのは、CNCの補助的な機能として準備されているもので、Mに続く1~3桁の数字によってあらかじめ決められた特定の動作や機能を実行させるための命令語。と考えたらわかりやすいですね。
特定の動作や機能、というからには機械メーカーさんごとに違う設定がされているわけですが、ある程度のルールが決められています。そのルールというのが日本では、JIS B635-2:2003 に「補助機能Mのコード」として記述があります。ここではM00~M99までが記載されていますが興味のある方は調べてみてください。
さてそれでは実際に今、目の前で使っている機械に新たなMコードを割り当てて、今までにない機能を追加することはできるのか? というと、答えはYesでもありNoでもあります。
えぇ、そうなんです。それができるかできないかは、機械メーカーに問い合わせるか、自力で調べてできそうなら機能追加するしかないわけです。取扱説明書に記載がなくても、改造することで追加できることがありますが、場合によっては手の出しようがないってこともあります。
もしも、PMCラダーのデータ(バックアップでもかまわない)を持っていれば、そこからラダー図を復元して調査することは可能です。実際、そういう依頼も過去にはありました。
台湾製の工作機械で説明書、電気図面、パラメータ設定リストはあるけれどラダー図が無い。なので、それを追いかけてMコードが使えるのかどうか、流用できるコードはあるのか、それとも新規にMコードを追加した方が良いのか否か、そもそも判断できませんでした。ですから、下のようなハンディファイルのバックアップデータからPMCのラダー図を作成して、少々お手伝いをさせていただきました。
たしかに、この文字列からPMCラダーをすぐに想像できる人は、ほとんどいないと思います。
ラダー図面があれば、使えるMコード(空いているもの、未使用のもの)や、オプション用にあらかじめ組み込んであるものなどが判断できるでしょう。
そういった確実な情報を元にすれば、どんなふうに機械を改善(改造)していくのか、どうなことまで仕事をやらせられるのか、もっと具体的にいろいろ想像を膨らませリアルなかたちにしていくことが、もっと身近になるのではないでしょうか。
製造業は「想像業」でもあり、さらに「創造業」でもある。
私はそんなふうに感じています。
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